コマセ真鯛(マダイ)の道具について考える ロッド編

コマセ真鯛(マダイ), コラム, フィッシングギア, ロッド

コマセ真鯛とは

コマセ真鯛とは船釣りで真鯛をターゲットにする時の一つの釣法で、積極的な誘いスタイルはもちろん、置き竿スタイルもできることから最も人気があり、奥が深い釣法です。今回はコマセ真鯛の魅力にせまりながら、専用ロッドの役割とその必要性について考えていきます。また、最後にYouTube動画で、ダイワ、シマノ、がまかつ、剛樹などの専用ロッドについて紹介しています。

YouTube動画はこちら

真鯛(マダイ)の魅力

真鯛(マダイ)は釣り人を魅了するターゲットです。東京湾、相模湾だけでなく、日本の幅広いエリアで、さらにニュージーランドやオーストラリアなどでも多く生息しています。

日本では愛媛県をはじめとして養殖も盛んであり、スーパーにも多く並んでいますが、高級寿司店などが扱う天然真鯛は市場でも高価であり、釣り人にとって釣れると嬉しくなるターゲットであります。

刺身、昆布締め、塩焼き、唐揚げ、天ぷら、煮付け、鯛飯、あら汁、茶碗蒸しなどの和食系だけではなく、カルパッチョ、ムニエルなどの洋風にも合うまさに最強の食材となります。

真鯛(マダイ)の釣り方

そんな真鯛は陸っぱりから釣る(釣れる)こともできますが、狙ってつりたいときは船に乗るのが一番です。とはいってもマダイは船での釣り方が大きく分けて3種類あるため、目的の釣り方のマダイ船に乗船する必要があります。主な釣り方は以下の3つです。

コマセ真鯛

全国的に最も人気のある釣法で、ビシと呼ばれるオモリを兼ねたエサの容器にオキアミというエビのような小さなエサをたくさん入れ、水中で撒き餌としてばらまき、それに寄ってきたマダイに同じオキアミがついた針を食わせるという釣法です。

メリットは、撒き餌をするので魚が寄ってきやすい反面、真鯛以外の魚も寄ってきてしまうため外道が多かったり、フグやカワハギ系の”餌取り”と呼ばれる魚たちにエサを取られまくります。そのため、エサ取りがいないくらいのタナで撒き餌をして、真鯛を浮かせるというテクニックが必要になってきます。

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サニー商事(SANY) ニューサニービシ

テンヤ真鯛

最も古くからある釣法で、針と一体化したオモリに直接エサのエビをつけるというシンプルな釣法です。シンプルであるがゆえ、道具にそれほどお金がかからないメリットがありますが、エサを常に動かしていないと釣るのは難しいため、熟練のテクニックによる誘いなどを身につける必要があります。

また、置き竿ではほぼ釣れないため常に動かしているスタイルを好む方向けです。ルアーとエサ釣りの中間のイメージです。

ダイワ(DAIWA) タイテンヤ 紅牙遊動テンヤ

タイラバ

割と最近の釣法で、興味を持つと上に上がってくる真鯛の習性を上手に利用したルアー釣りです。ルアーといってもジグやミノーなどではなく、オモリを兼ねたヘッドにヒラヒラしたスカートと呼ばれるらせん糸状のものや、目立たせるための飾りをつけ、その中にエサはついていない針が隠れています。

真鯛が興味をもってつついてくるイメージで、タイラバヘッドが着底したらひたすらゆっくり巻き上げるという縦のルアー釣りです。

シマノ(SHIMANO) タイラバ 炎月 タイガーバクバク

真鯛(マダイ)専用ロッド(竿)は必要なのか

ここからが本題です。釣り方だけでも3種類ある真鯛釣りですが、ロッド(竿)はどうするのがいいのでしょうか。結論から言うと、専用の竿を持っていた方がよいです。3種類の竿それぞれに専用の竿がありますが、テンヤ真鯛とタイラバは同じ物でも使えます。

コマセ真鯛はオモリの重さが基本的に80号(300g)ありますので全く別の竿になります。それではコマセ真鯛のロッド(竿)について見ていきましょう。

そもそもなぜロッド(竿)が必要なのか

コマセ真鯛のような、待つスタイルのエサ釣りでの船釣りの場合、魚が”ヒットするかどうか“は実はロッド(竿)はそれほど大きな要因ではなく、極端ではありますが手で糸をもって落としているだけでも釣ること(獲ること?)はできます。でも、手で持っている場合はまず巻くのが大変ですよね。そこで出てくるのがリールです。

手巻きのリールは手で糸をたぐる(漁師風)よりは遥かに便利です。でも水深が深い場合はリールを巻き続けることで腕がパンパンになってとても大変です。そこで登場するのが電動リールです。自動で巻いてくれるのでとても楽ちんです。電動リールだから釣れるというわけではなく、釣りを楽にしてくれているんですね。

リールをさらに楽に使うにはロッド(竿)があるほうが安定して巻くことができます。これが本来のロッドの役割で、釣れる前の魚へのアピールや、ヒット後の回収がロッドを使う理由です。

専用ロッドの役割

ロッドの役割は、ヒットする前に仕掛けを安定させる(ある程度意図したところに仕掛けをキープする)ことと、ヒットした後に回収しやすくすることですので、棒状のものであればその機能を果たすことが可能です。このことから、ちょっとでも楽になるのであればどんなロッドでも、無いよりはあったほうがよく、魚がヒットするかしないかは、ロッドの性能によるものも多少はありますが(船の揺らぎに対する吸収性など)、基本的にはあまり関係ありません。(コマセ真鯛などの待つスタイルでエサ釣りの場合)

ここで考える必要があるのが、ヒットした魚を回収する作業です。まず、狙っているターゲットがあるにせよ、どんな魚がヒットするかは水中なのでわかりません。青物のようにヒットしたあと左右に暴れまくるものもあれば、真鯛のように下方向へ行くような魚、太刀魚のようにただ暴れるような魚など、魚種によってヒット後の反応は異なります。

どんな魚にでも共通しているのが以下の2点です。

  1. 針がどこにかかっているかはわからない。
  2. 仕掛けを含むラインがどの程度まで耐えられるかがわからない。

この2点を考慮すると、ヒットした魚に合わせて、最も機能的、効率的に回収しなければ逃してしまうことになります。このため狙っているターゲットの動きを考慮して最もバラしにくい(針が外れたり、仕掛けが切れたりしにくい)ターゲットに合わせたロッドが必要となるのです。

簡単に言うと、専用ロッド(竿)はヒットした魚をできるだけ高い確率で回収するために必要なのです。

専用ロッドを使う他の理由

その他の理由としては以下の物があります。

  1. ヒットさせる確率を上げる。
  2. 操作性

1のヒットさせる確率を上げるについては、各々のアングラー(釣り人)にとって解釈が異なります。コマセ真鯛においては専用ロッドはムーチングアクションという、ショックを吸収する構造になっているものが多く、船の自然な揺れを吸収し、水中のエサが揺れで上下しにくいという機能があります。しかし、これについては多少エサが揺れていたほうが良いという場合もあり、必ずしもヒット率を上げるというわけではありません。

2の操作性については、真鯛は大きさのばらつきが大きく、小さいものでは10センチくらいから大きい物では1メートルを超える真鯛が同じロッド、同じ仕掛けでヒットします。食材として最も最適なのは1kgから2kg、40センチから50センチサイズですが、残念ながらサイズに関しては針である程度絞れるものの、どの大きさがヒットするかはわかりません。

そのため、マグロやブリに使うような重くて太いロッドではなく、軽くてしなやかな真鯛専用ロッドを選ぶことで体力の消耗を防ぎ、より快適に釣りができるようになります。

専用ロッドを”使わない”理由

逆に、専用ロッドを使わないという選択もあります。理由は以下のものが考えられます。

  1. できるだけ1本のロッドでいろんな釣りを楽しみたい。
  2. できるだけ高いヒット率、回収率に目をつぶってでも優先したい理由がある。

1に関しては最も重要な船釣りの法則があります。それは、

釣りでは大は小を兼ねない

ことです。プロゴルファー猿ばりに、1本であらゆる釣りをしたい方から、あんまりお金かけたくないからできれば1本にしたいよねという方まで理由は様々ですが、この、釣りでは大は小を兼ねない、常に状況に最適なものを使うという考え方をもつところが船釣りのスタート地点です。

2については、あえて特徴のある機能を持ったロッドを使うことで自己満足感をあげることです。コマセ真鯛の専用ロッドは調子が5:5または6:4になっています。調子とはロッドが全体のどの部分を支点に弧を描くかの割合です。この調子はヒットした魚をバラさないという意味では最適ですが、小さいあたりをロッドで感じることに関しては不得意です。そのため調子を7:3のロッドにしてみる、潮が速く水深が深い場合は8:2のロッドにしてみるなどのアタリを感じることを優先にするなども選択肢として出てきます。

また、単純にそのロッドが好きだからという場合もあります。どんな趣味でも道具には愛着がわく場合があります。釣りに関して言えば、ロッドの見た目がかっこいいなどです。釣果という本来の目的とは全く関係ないところではありますが、コマセ真鯛は置き竿でずっとロッドを見ている時間が長いので重要な要素のひとつであるかもしれません。

ちなみに私はこれが理由で、あえて2.1mという通常の真鯛ロッドよりも短いシマアジロッドをエースロッドにしています。真鯛の専用ロッドもありますが、ほとんど使っていません。このシマアジロッドは長さとカラーが好きで、置き竿したときに絵になるので綺麗な景色をバックに写真をとると自己満足感があがります。真鯛がヒットしてもロッドが原因でバラしてしまったということはほとんど記憶にありません。とはいえ、3kg以上の大真鯛を釣り上げたい方は専用ロッドにされることをおすすめします。

コマセ真鯛に最適な専用ロッド

ここからは実際に専用ロッドを紹介します。まず、ロッドを選ぶときに重要なのは素材になります。大きく分けると次の2つの素材がメインで使われていてその比率が重要です。

  1. カーボン素材
  2. グラス素材

カーボン素材が多ければロッドは軽くなりますがしなやかさが落ちます。グラス素材が多ければしなやかさが増しますがロッドは重くなります。ロッドの箱にはカーボン含有率が記載されていますので参考にされるとよいでしょう。

カーボン含有率が多いコマセ真鯛専用ロッド

ダイワ

リーオマスターシリーズ

シマノ

海攻 マダイリミテッド

がまかつ

シーファングマダイ

グラス含有率が多いコマセ真鯛専用ロッド

ダイワ

バイパースティック

シマノ

アルシエラ マダイ

剛樹

アルティスタ・マダイ

インビクタマダイ

コマセ真鯛の船宿ガイドはこちら

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